ザグレブ市

ザグレブ市

ザグレブの食事では、オーストリア・ハンガリー帝国の遺産が、そこここに感じられます。たとえば、グレナディル・マルシュgrenadir marš(玉ねぎとチーズのパスタ)や、カイゼルシュマルンkajzeršmarn(パンケーキをカラメル仕立てにしたデザート)、クルピツェ・サ・ゼリェムkrpice sa zeljem(パスタとキャベツの炒め煮)、七面鳥のムリンツィmlinciパスタ添えなど。ほかにも、シュトゥルクリštrukli(カッテージチーズのパスタ包み)や、カッテージチーズのクリーム添えvrhnje i sir、クラフナkrafna(揚げドーナツ)、メデニャクmedenjak(蜂蜜クッキー)、パプレニャクpaprenjak(胡椒クッキー)は、必ずお試しください。美味しさが口の中に広がります!そしてもちろんザグレブでは、クロアチア各地の極上のワインがいつでも楽しめます。

Paprenjaci (pepper biscuits)

Doughnuts

Krpice sa zeljem (Pasta with cabbage)

Turkey with mlinci pasta

Kajzeršmarn

クロアチア美食マップの中心

ザグレブは、クロアチア各地の料理すべてが一堂に会する場所で、なかでも各地の最上級レベルの料理が楽しめます。これは、ザグレブにある13の大きな青空市場や10の小さい青空市場にならぶ食材を見ても明らか。なかでもドラツと呼ばれる最大の青空市場は、街の中心であるイェラチッチ総督広場から目と鼻の先の階段をあがったところ、大聖堂にも近い場所に位置しています。

 

ドラツは、あらゆる面でクロアチアの典型的な青空市場といえますが、そんなドラツの息吹は、ドラツが市場として実際に存在し始めるより古い歴史があります。19世紀初めにはすでに、ザグレブ市民のメインの市場をどこに建設するか、どんなデザインにするのか、建設、さらに維持運営の主体は誰で、誰が利用するのかについて、活発な議論、ときにははげしい論争が行われたのです。ザグレブでは、それまでにも厳しい規制に基づいて屋外で交易がおこなわれていました。1425年の記録によると、鮮魚の販売に関する今よりも厳しいルールが運用されていたのです。長い間売れ残った魚は、検査官が容赦なく尾ひれを切り落とし、そうすることで二級品にしてしまうのです。

 

ドラツの歴史において、中央市場建設の最初のイニシアチブから1930年のオープニングに至るまでのスキャンダラスで緊張感あふれる年代記は、最終的にはハッピーエンドで終わるのですが、記録されていれば一見の価値があったことでしょう。こんにち、この二層構造の屋外と屋内の二つの部分は、スムーズ、整然かつロジカルに組織されています。ドラツでまず第一に販売されているのは、地元産の季節の食材。この豊かなセレクションをより興味深くしているのは、小規模農家や家族経営農家で育てられた食材です。経済論理では、小規模農家はグローバルマーケットからやってくる安価な製品の侵略を生き延びるため、結束すべきなのですが、食通のロジックでは、小規模農家は高品質食材、特に高級食材にとってはとびきりのインセンティブだというのです。たしかに、ドラツで販売される食材は、ときには、クロアチアのほかの市場より高額な場合がありますが、それは道理にかなっているのです。地元の市場で販売する生産者たちは、なかでもとりわけ上質で、そのことに誇りをもつ食材をザグレブの市場までわざわざ販売に来るからです。

 

ドラツ市場は、ザグレブを代表する花形料理人たちが日参するところでもあります。最高の旬の食材えらびは、美食界の鉄則。世界中のトップシェフたちがかたくなに守る不文律です。

 

料理人たちは、ドラツからそれぞれのレストランに戻り、郷土料理の準備にとりかかります。まず第一にダルマチア料理、そのほかにもイストゥラ料理、スラヴォニア料理、ザゴリェ料理やプリゴリェ料理、極上のリカやゴルスキ・コタル料理、さらには、クロアチア国外のクロアチア人コミュニティ、特にヘルツェゴビナ料理や、その他の地域、たとえばボスニア郷土料理などもあります。ザグレブの市場で売られている魚介類は、たいていの場合、ダルマチアのレストランとおなじくらい新鮮。島産ラム肉のシーズンはザグレブで始まり、秋の白トリュフの初ものは、ザグレブでもイストゥラとおなじくらい待ちわびられ、厳選された最高級クーレン・サラミは、ザグレブのえり抜きの販売店に定期的に届けられます。また、ストン湾産とリム海峡産の牡蠣は、トップシーズンの春の聖ヨシップの祝日に催される特別なグルメウィークで味わうことができます。

 

ザグレブには、ザグレブならではのいわゆる「プルゲルpurger」料理の伝統もあります。それは、オーストリア・ハンガリー帝国文化の歴史のなごり。ドイツ語表現や、オーストリアなまり、さらにはハンガリー語の呼び名など、こんにちに至るまで使われているものもあるのです。「グレナディル・マルスGrenadir mars」(玉ねぎとジャガイモ入りパスタGrenadirmarsch)や「カイゼルシュマルンkajzeršmarn」(パンケーキKaiserschmarrn)のような料理名は、まれに、ノスタルジックな「プルゲル」の波間を航海しようと試みるザグレブのレストランメニューで見かけることがあります。

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