クロアチア中央部
のどかな静けさとリラクゼーション
クロアチア内陸部は静けさのオアシス。長い年月を経た森林やワイン畑がなだらかな丘陵に広がり、サヴァ川、ドゥラヴァ川、ムラ川のお かげで、周辺の村では夏の暑さをいくぶんしのげます。
首都ザグレブから、北または北東にほんの少し足を延ばせば、コプリヴニツァKoprivnicaやヴァラジュディンのようなロマンティックな中 世都市や、トラコシュチャン城のような地方の領主の邸宅、さらに、エネルギーを回復するのに最適な温水スパが点在し、活き活きと活 力がみなぎってくるのを感じることでしょう。
どこへ行きます
宮廷妖精たちの 散策ルート
かつて、上流階級の人々や著名人、貴族たちは、耽美や浮世の快楽を追い求めて、城館や邸宅を建てる土地を注意深く厳選し、その周りに庭園や公園、樹林を配しました。宮廷の妖精たちは、あなたを風光明媚な丘陵や彩り豊かな野原に連れ出し、そこかしこに点在する城館や領主館にご案内します:ザプレシッチZaprešićのイェラチッチ邸ノヴィ・ドゥヴォリNovi DvoriとルジュニツェLužnice城、デスィニッチDesinić近くの堂々たるヴェリキ・タボルVeliki Tabor城、ロマンティックなトラコシュチャンTrakošćan城、チャコヴェツČakovecの誇り高きズリンスキZrinski城、ゴルニャ・リエカGornja Rijekaの双塔をもつ城などなど。これらの建物は、かつては人々の暮らしや仕事、文化や政治活動の拠点でした。クムロヴェツKumrovecの村では、田舎の家屋群の貴重な実例の数々を訪れて、過去に足を踏み入れ、クラピナKrapinaの考古学発掘現場すぐそばでは、クラピナ・ネアンデルタール博物館で原始人たちの世界をのぞき、クロアチア・ナイーヴ画発祥の地フレビネHlebineでは、今も残るのどかな雰囲気に身をゆだねましょう。妖精たちのお話は、遠く過ぎ去った日々の貴族たちの輝きと栄光を偲ぶロマンティックな旅へとあなたを誘ってくれることでしょう。
メドゥヴェドゥニツァ自然公園
ザグレブ北部にそびえる森林におおわれた山には、何キロにも及ぶハイキングコースとスリェメSljemeスキーセンターがあります。ほかにも、小路や滝、カルスト地形のある数々の洞窟も存在し、中でもヴェテルニツァVeternicaは最も興味深い洞窟です。また、学習遊歩道をたどれば、エリア全体とズリンスキZrinski採鉱場について学ぶことができます。さらに自然公園からほど近くには、十三世紀に建てられた中世の要塞、メドヴェドグラードMedvedgradがあり、そこではクロアチア史上を飾る英雄たちに敬意が表されています。
ロニュスコ・ポリェ自然公園
アルプスとディナル山地からサヴァ川が運んでくる豊かな水は、ロニュスコ・ポリェLonjsko Poljeの低地と森林を潤し、鳥類や魚類が繁殖する絶好の条件を創り出しています。
エコ・ミュージアム・ムラ
エコ・ミュージアム「ムラMura」で は、ユネスコで保護されている比類な き生物多様性をはぐくむ景観や、自然 と文化の多様性、おもてなし好きな地 元民が大切に守ってきた伝統の知恵。
トラコシュチャン城とヴァラジュディンの町
トラコシュチャンTrakošćan城は、疑いなくクロアチアで最も美しい城の一つで、最もロマンティック。ヴァラジュディンVaraždinの町は、芸術文化で名高く、壮麗な教会、市庁舎、ため息がでるほど美しい墓地のほか、芸術的な建築物や文化遺産も、訪れる人々を楽しませています。
マリヤ・ビストリツァ
ここは国内最大のマリヤ聖地で、多くの巡礼者が訪れます。首都ザグレブからわずか30kmの美しい丘陵地帯クロアチア・ザゴリェにあります。秘跡の黒の聖母マリヤ像は当初マリヤ・ビストリツァ教会の祭壇の所に置かれていましたが、オスマン・トルコ軍の攻撃に備えて教区教会の壁に塗りこまれ、それが再発見されたのは1684年のことでした。この美しい聖堂の近く、カルヴァリ(ゴルゴタの丘) の石舞台の上に大きな十字架像がありますが、これはクロアチアの著名な彫刻家たちの共同作品です。その後ろの穏やかな一画に、素足のカルメル会女子修道院があります。
フルヴァツコ・ザゴリェHrvatsko zagorje地方をまず見てみましょう。そこは、なだらかに続く丘陵と川が織りなす絵のような世界です。トゥヘリTuhelj、ストゥビツァStubica、クラピナKrapinaにスパリゾートがあり、屋内外のプールや保養宿泊施設が整っています。クラピナの町には、有名なクラピナ原人の痕跡が展示されていますが、ここが世界地図の上に現れるようになったのは、D.ゴリャノヴィチ・クランベルガーGorjanović-Kramberger教授が1899年にフシュニャコヴォHušnjakovoで更新世の人骨を発見してからです。これは学会で言うホモサピエンスのネアンデルタール人です。
そして、もし宗教面に関心がおありで、クロアチアの聖母マリア聖域でのスピリチュアルな体験をお求めなら、マリヤ・ビストリツァMarija Bistricaがお勧めです。ここは、三百年以上も昔からの聖母巡礼地で、毎年八十万以上の信者が訪れており、1998年には教皇ヨハネ・パウロ2世も来訪されたクロアチア最大の聖母マリア聖地です。
ヴァラジュディンVaraždinは、クロアチアで最もバロックの雰囲気が漂う町です。町には緑が多く、手入れの行き届いた公園、念入りに設計された庭園、ヴェルサイユ風の生垣に刈り込まれたニオイヒバの目立つ整然とした市霊園などが、ヴァラジュディンの盛名を高めています。また、この町は芸術、工芸、経済面も活発で、九月の二つの祭典はよく知られています:ヴァラジュディン・バロックの夕べとシュパンツィルフェストŠpancirfest祭で、様々な催しが道行く人を楽しませています。ヴァラジュディン地方は、文化面の活発な活動や354にのぼる文化遺産に加え、豊かな自然環境も残しています。
ヴァラジュディンのほど近くにルドブレグLudbregの町があります。ここは、キリストの聖血を祭った巡礼地で、クロアチアでは唯一であり、また教皇の勅書で創設された聖地としては世界でも稀な所です。1512年ベタニィBethany城の礼拝堂にキリストの聖なる血が顕現した奇跡を受けて、その聖遺箱が礼拝対象として正式に認められたのです。レポグラヴァLepoglavaは小さな町ですが、パウロ会が修道院と教会を創設して歴史に深い刻印を残しています。そこで誕生した有名なレースは、その独創性と高い質で、1937年パリ万博で金メダルを受賞しています。
あるいは、芸術志向の方々で、ナイーヴ画、地方伝統、民俗風習、古い伝統工芸に関心をお持ちなら、ザグレブの北東、ポドラヴィナPodravina地方に行くのがお勧めです。特に六月は、コプリヴニツァKoprivnica、ジュルジェヴァツĐurđevac、クリジェヴツィKriževciの町で三大民俗イベントが開催されます。ポドラヴィナとはドラヴァDrava川流域と言う意味で、ビロゴラBilogora山系とカルニクKalnik山系の幸にも恵まれ、魚やゲーム(猟鳥獣肉)が豊富です。サイクリングには最適のコースが続いており、ショデリツァŠoderica湖やナイーヴ画の揺籃の地フレビネHlebineなど、美しい景観の中を走り抜けます。