神の霊感に満ちた地と申せば大げさかも知れませんが、このザダル地方はいくつもの国立公園がある稀に見る自然美の地です。 山岳、湖、滝、渓谷、洞窟、深い穴、それに多くの愛らしい島々と入江の湊、ロマンティックな浜辺 - この地方を描写するには言葉より絵筆のほうが相応しいようです。ザダルの海岸には不思議な海のオルガンが設置されていますが、映画監督ヒチコックはここから眺める日没を“世界で最も美しい”と賞賛しました。そして、ここで、地元のマラスカ・チェリーから作るリキュール”マラスキーノ”と一切れのパグ・チーズとがあれば、神の霊感に満ちたこの比類なき土地の恵みを味わいつくすのに、他に何も望むものはないとさえ感じてくるのです。
この地方の中心は3千年の歴史をもつザダルで、そのローマ広場遺跡はアドリア海東岸で最大の規模です。美しいロマネスクの教会群 - 聖ドナト教会、聖アナスタシア教会、聖クリソゴヌス教会、それにクロアチア初期王国の首都ニンにある世界最小の大聖堂(聖十字架教会の大きさはわずか36歩)など、まさにザダルはクロアチアの文化遺産について、どの本より多くのことを語ってくれます。